法律家に限らず、士業というものは資格を持っていれば食えるというものではありません。この世界に携わっている私がいうのですから、そう外れたことではないはずです。士業に関連した仕事の中でも、特に経営や広報をみてきた経験から、いかに宣伝が大切なのかを痛感しております。私がではなく、採用いただいた企業の社員がですが。
適切な宣伝とはなにかといえば、宣伝するに足る物を用意した上で、何度か試しながら、最もよい方法を見つけるというもので、これが絶対の正解というものはありません。試行錯誤の中で企業の血であるところの利益を吐き出すことは致し方のないこと。この必要性をご理解いただいたことで、私が担当させていただいております企業は、仕事の量が倍になり、競合店から嫌がらせやスパイ行為を受けるくらいの上位企業となりました。


「広告料程度のリスクや手間を惜しんでいては成功はおぼつかない」
この一文で本書はすべてカタがつき、実際読むべきところは乏しいのです。本書で語られることのすべては、あらゆる書籍で語り尽くされたことであり、企業の在り方、経営者の在り方というものは、新しく付け加える部分はないほどに研究されてまいりました。しかし、いまだすべての経営者がこれら研究の成果を活かしていないのは、最後は「度胸」の勝負だからなのです。


どんなに立派な大学を出、いかにすばらしい資格を得、その後も慢心することなく知識を積み上げても、リスクをとる覚悟、命を投げ捨てる気概がなければ、何もはじまらないのです。だからといって、皆さんもリスクをとれとはいいません。リスクをとった結果、悲惨な末路を迎えた経営者は少なくないためです。


いいですか、成功者は成功体験しか語りません。不都合な話はしないのです。セミナーや出版物に出てくる話は、皆さんから金をとる道具であって、皆さんに救いを与える教典ではありません。攻めの姿勢をとらせることで、金が儲かる人もいるわけでして、ノウハウを見せてくれているから信頼できるだなんて考えないことです。


「経営者の覚悟」これを超えるノウハウはありません。100万払おうが、1億払おうが同じです。払ってきた人間を見てきましたし、ビジネス書の編集者として払わせる手伝いをしてきたのですから間違いありません。眉にツバして笑うために読むならば構いませんが、救いの神を求めて開くような本ではないと思いますね。




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