「努力したものが全て報われるとは限らん。しかし!成功した者は皆すべからく努力しておる!!」

 これはマガジンの人気マンガ、『はじめの一歩』に出てくる鴨川会長のセリフなのですが、あまりにすばらしいセリフのため、多くの方が座右の銘にしたり、講談社には標語として貼り出されているといわれているものです(貼ってあるの見たことなかったけど)。いわゆる名言ということになるのですが、本コーナーで取り上げるのですから、当然誤用でございます。
 ここに出てくる「すべからく」これが厄介。すべからくというのは、半数近い方が「みんな、どれもこれも」といった意味で使われます。文脈的におかしなことにならないのが問題でして、本来の意味を知らずに、なんとなくそういうことなんだろうな、で理解し、使っているわけです。

「すべからく」の意味は、原則この言葉のあとに「べき」を伴って「当然」という意味になります。つまり、ワンセットで「当然〜すべきだ」ということですね。「学生はすべからく学業に勤しむべきだ」なんてしゃちほこばった訓示を書くのに使います。

 ですから「成功した者は皆すべからく努力しておる!!」と断定、断言するのには使えんのです。これが格言として掲げられていたとしたら、マガジンがジャンプに勝てないのも頷けます。ワオ!音羽の城(講談社)には知り合いもいるのに怖いもの知らずだネ!

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